4 Dec 2015

zoe と


センダンの実が黄色くなった




自分が知りうる限り うらやまではこのセンダンが最後に熟す
と そう認識している
しかしながらそれは自分が知らないだけで
ひょっとしたらほかにもこれから熟す実が幾つかあるかもしれない
いずれにしても それが黄色くなると
そろそろ本格的に寒くなってくる時期なのは間違いのないところである



夏の間はもちろんの事 
上着の要らない季節にはまず出かけない 近場の山へ気兼ねなく繰り出せる時が来た

これは当に ”ようやくこの時が訪れた” いいや ”待ちに待った” といっても過言ではない

ワタシは 辿道から虫や長モノの姿が消えるのをずっと待っていたんだからね

但し 幾らこの時が来たからといって 浮かれた心もちでいてはいけない
時に犬を伴って行く場合には相当に気をつけなければならない事がある

それは
葉っぱが落ちた素敵な尾根では 鹿や山鳥を見つけるのが各段に容易となるから
だから 
付人同様に もしくはそれ以上に勢いついた犬をいきなり野放しにすのはよそう

さもないと
魅力的な臭いを嗅ぎ付けた途端にボクの犬は其処から消えて居なくなるだろうからね

見晴らしのいい尾根にポツンと取り残されたように佇む姿を想像するのは
それは凄く簡単だよね、、、、口がだらしなく開いていて 凄くうろたえてる姿だよ
そうならないようにする為にも 冷静になろう
幾ら犬にせっつかれてたとしてもね


そうやってさかなつりの時期も上手に乗り切ってきたんだから
せっかく訪れた至福の冬枯れも 同じように平穏に過ごしたいものだ

そうするには さかなつりの時以上に用心深く犬を観察する必要があるかもしれない

なんたって峪底にいる時と此処では コイツの目つきが違う

とにかく臭うらしいんだよ此処ではね そりゃあもう峪底に居る時の比じゃないくらいに

鹿とか オコジョとか それに野鼠とかの臭いが四方八方から漂ってくるよって顔をしてる

峪沢の流れが無いから ホントに直に広大な鼻腔に届くのかもしれないね

頼もしいという感もあるけど もう少し 家にいる時みたいにおっとりしていて欲しいよね


それでもワタシがきのこやコケや地衣なんてのを観察してると
不思議と自身に課せられた捜索をよして 何に食い入っているのかと此方にやって来る
おまけにようやく写真機の向きも決まり 今当にシャッターを切ろうとしてると
あの犬は必ずといっていいくらいに鼻先を突っ込むようにファインダーに入ってくる

どうやら全てを嗅がずにはいられないようだ あの犬は、、、。


若い犬の勢いはとてつもない

だからと云って 別段それを制御しようとも思わない
何れ分別もついてくれば判るようになるだろうから

勢いの良いそんな愉しい時期を ヒトの都合で操縦するのも気の毒だからね






暖かいというより暑い日だった

見晴らしの良い所で飯炊きするつもりだったから
水は余る程に背負ってきてはいたけれど
犬はそれを飲み干す勢いでガブガブ飲んだ

この暑さの中で
彼方此方走りまわりながら登っているのだから
これはもう幾ら運びあげたとしても
足りなくなる事はあろうが
余る事など考えられなかった







八丁坂の頭から蛭ヶ岳が良く見えた
頂上の山荘までもくっきりと

長い事この辺りをうろついているが いまだにあの小屋に寄った事がない

以前 小屋の主人が犬を連れて登っている所に出くわした事がある
すっきりとした体躯の大人しそうな赤い犬だった 
その後も何度か見かけたけど いつも物静かに主人の後先について歩いていた

ある日 大滝の裏から蛭へ突き上げるように登ると 犬小屋の裏手に飛び出た
何時もの犬がいるものと思って近づくと その犬は別の犬で盛大に吠え立て出迎えてくれた
あれからまた暫くたつけど あの二代目犬(何代目かは不明だが)はどうしているだろうか



このあたりは東海自然歩道の始まり(終わり)だ

高尾辺りが自然歩道の起点らしいが
その辺りの事は良く知らない

とにかくその自然歩道の中にあって
このブナが生えている所が標高最高点らしい

いつも来る度に その表示を見る

そのたびに ”へー” と思うが
一旦山を下るとまた直ぐに忘れてしまう

だから 再びここへやって来ると
またもや ”へ~” と
何度でも同じ事で感嘆の声を上げる




三時も過ぎようかという頃になってようやく姫次に

炊きながらもう一方で温め

日暮も近いというのに 飯炊きなんてしてたもんだから
食べ終わってお茶を淹れおわると四時だった

富士とzoe

そして日が暮れてくる

この時期この場所で四時だった

だから
お茶うけのバームクーヘンを食べるのも憚れるくらいに気持ちだけが急いた
日が短い時期なので 尾根を下る途中で暮れるのは間違いないだろうから

そうは云ってもここは良く知った道
なので暗がりを照らしながら下るのに別段支障がない事は承知している
ただ人一倍の怖がりなので
暗い山を一人(犬は勘定に入れず)で歩くのはちょっと嫌だなと

しかしこの状況は変えようも無く これは正に仕方が無いのだからと
こころの準備も早々に zoe と駆け足で尾根を下った 

2015/11/24 zoe と富士を眺めに姫次へ

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