2015/12/19

初冬の尾根で犬と2



山の朝は -- 普通は -- 早い




二度目の眠りに落ちたのが午前三時くらいだったろうか

夜明けも近いからといって
あのまま起きていようなどとは考えもしなかったが
ここで寝たら予定(一応予定は立てた)よりも可也遅くに起きる事になるだろう
くらいの考えはあった



案の定二度寝の後に目が覚めたのは七時に近い六時過ぎであった
おまけに "呑んで" "寝て" "起きる" この間が約三時間ほどだったせいか
完全に酔いが残っていた

七時には出だすつもりでいたけど
この分だと九時に出れれば御の字かもしれない


ズンっとしたおもい頭をもたげてパンケーキミックスとそれを溶くミルクを探した

犬が何をしてるのかと ワタシの肩越しに何度も覗き込む
その度に "まあ待てもう少し待て" と

いきなり焼いてもいいが 粉物は少し養生してからやっつけたほうが良い
--- 果たしてパンケーキにそれが当てはまるのかは未確認 ---
というか その前にスープを温めていたので 火口が無かっただけなんだが
もっとも 頑張ってブッシュストーブの擱きを炊きつれば 二倍のスピードで朝飯が用意出来たかもしれない
でもそうはしなかったのは -- 出来なかった -- 単に面倒だったからにすぎない




朝飯が無い犬へ

パンケーキとベーコンでいいかと聞くと "しかたねえなあ" と

それだけじゃあひもじかろうと 残ったライ麦パンを差し出すと

 "それはいらね" ときた

ここでもし米があったなら 昨晩からの残り飯とベーコンで焼き飯でも食わせてやれたのに
そう思うとホントに申し訳なかったが パンを拒否した時点でそんな気持ちも瞬時に失せた





陽が上った

犬にもそれが判ったのか いきなり勢いを取り戻したように走り周る

これ幸いと 奴が適当に遊んでいる間に此方は片付けにかかる



粗方荷造りが済んだ頃に犬が水を飲みに来た

またもやいい頃合と そのタイミングでハーネスを装着して出発する事に



昨晩もそうだったけど あくる日も冬とは思えない陽気だった



それにしてもブナの尾根は何時歩いても気持ちがいい
特にお天気の良い日は格別だね



下草のようなアセビがなくなると 今度は笹原がそれに変わる
いや笹原というには少し違うかな、、、

そういえばこの辺りを暖かい時期に巡った事がない
だから ここのブナの葉が繁った様子を見た事がないとも言える

何れ夏の峪沢歩きに飽きたら(歩けなくなったら) 勇気を出して夏山へも踏み込もうと思う
そうすれば緑の葉っぱのブナはもちろん 白いツツジの花なんかも楽しめるかもしれない
但し 藪に潜む長モノや毒虫をどう避けるかといった問題を如何するかが大きな課題だけどね





幾らも登らないで山頂までやってきた
ここは zoe にとって はやくも二度目の登頂となった

ここいらを巡ってると 普段はあまり頂上を目指すこともないから
この "二度" は貴重な二度になるかもしれない


山のぼり話ではいつも先代を持ち出すが ここもまた良く一緒に登ったところだ
あの犬と何度ここへ登ったかなんて数えてもいないから判らないけど
このペースで行くと きっと近いうちにその回数を超える事は確実だろうね
でも それには付人のワタシが動ける事が条件になるので "確実だ" というのは一旦取り消そう



此処からの富士もいい姿なんだけど 
あいにく陽気が良すぎたのか 霞が激しくてぜんぜん見えなかった

そうそう この時期は 雪が付いた遠くの山をぼんやり眺めるのにもいい所なんだ
でも 富士が見えないんだから もっと遠くの山なんてのは論外だったけどね

それでも 景色はそれだけじゃないから そんなのはなんの問題でも無いんだな
尾根伝いの大笹や大群はいつも通り大きく見えたし 良く釣り歩いた懐かしい峪も見渡せたし
それだけでも此処へ来た甲斐はあったという事なんだ



まあ zoe にはそういうのが如何見えてるのか知れないけど
時々立ち止まって遠くを見渡す姿を見てると あれはまんざらでもなかったんだろうと思う
いや 確かに "いい気分" で居たに違いない
 
そんなの判らないだろうって言うだろうけど 判る事もあるんだよ 説明はできないけどね



山頂から暗部に降りて もう一度ちょっとした笹原を登り返せば後は下るだけ



先を歩く zoe に "雪が付いたらまた来ようよ" と話かけながらブラブラくだった



2015/12/16  冬枯れの尾根で zoe と

0 件のコメント:

コメントを投稿