7 Dec 2015

トサカ


一昔くらい経つかな 前にトサカへ行ったのは





この日は三富の道の駅に車を止めた
普通に奥の駐車場まで入れば良いものを
何故かそうはせず
何百ミーターか手前の広大なそこへ車を置くことにした




西沢の渓谷に入るゲートをくぐった後か前かは忘れたけど
この日の計画変更が突然告げられた

当初の計画では 確か 近丸か 徳ちゃんか
そのいずれかを辿って甲武信のテン場へ向かうはずだった

それがつり橋を渡る少し前になって突然ツダくんから発表があった
”トサカから行こう” と

トサカへの尾根道は 数箇所岩場があったりして なかなか愉しいルートだ

距離的には同じだからと 
その時は特に時間を気にする事もなく
突然の提案に皆で乗ることにした



東沢と鶏冠峪の出合で石を飛んで左岸へ渡る

そこがトサカへ登るいり口



登り初めから良い角度で突き上げる



前に来たときからは随分経つからか道もうろ覚えで
というよりもまったくと言っていいくらい辺りの記憶が蘇ってこない
でも 最初のコルまで来ると 古びた記憶装置が少しだけ働きだしたのか
 その先は それまでとは逆に 進む程に記憶がはっきりとしてきた

最初の岩峰を越えるタスクくん


以前はトサカへ分け入るうんと手前の
東沢の分岐点に ”入山禁止” と書かれた看板が幾つも設置されていたが
最近はそんなものも見当たらない

尾根へと続く辿道にしても 立派な登山道然と変貌をとげ
さらには第一位岩峰 第二岩峰ともに真新しい鎖が設えてあった

行政(?)も頭ごなしに ”だめだ” というよりも 安全策を取ることを選んだようだ
しかし これが(鎖を設えるのが)正しいことなのかは判断しかねるが
入山禁止でなくなった(確認してないので不明だが)事自体は良い事なのかもしれない

第二岩峰を越えて 遠くに富士
第三岩峰の真ん中のテラスからもう一攀じり

三峰を越えるとそこに鶏冠山の標柱がたっている

そこからの眺めはほんとに素晴らしい
中でもここに座って眺める西側の岩峰がお気に入りだ
この日も その岩峰の枯木にホシガラズがとまるのが見えた
前に来たときも同じような光景を見たが 
当に再生録画のような そんな不思議な感じがした


第三岩峰を越えると ひたすら石楠花の豪枝を漕ぐ少々難儀な藪漕ぎとなる

大荷物を背負ってのそれは難儀というより苦行に近く
冷静な第三者的な観点から見ると 愚行と言っても良いかも知れない
と思えるくらいうんざりされらた

だから 時間切れになるのは必然だった
これは うっかり時間の観念をミスした なんてものではない

”何時に歩き始めたっけか” と あらためてお互いに問う事も不要な程
これは今日家を出たときから 最初から決まっていた事だった


気がつけば西の空が赤く焼けはじめ その数分後には暮れゆく空の向こうに富士が
そしてそれがこの日の見納めの景色だった


暮れて ガスが上がって 
完全なる日没時間切れだった

暗がりで霧と深い藪
そんな状態だったから何度かルートを逸して彷徨った

暗い中でルートに復帰するのは用意ではない

それは以前にも雨の雪渓で思い知らされていたにも関わらず
この晩は抜けられるという確信的なものがあった
もで 暗闇で霧がでて 石楠花の豪腕にさえぎられて
やはりこの日も時間切れ終了とせざるを得なくなる



少しも水平なところがなかったけど 踏み跡らしき所にテントを並べた

霧はいつの間にか晴れ
風もなくこの環境にしては暖かな夜だった
栂の隙間から星も見えたと ツダくんが朝になってそなん事を言っていた

それにしても時間がかかったね
彷徨った時間を勘定にいれても 何時間もの行方知れずの時間があった
なんでだろうとテントの中で考えたけど腑に落ちない事だらけだった
でも 単純に歩くのが遅いってだけだったのかもしれないと思ったら
いつの間にか寝入っていた


水を持っていなかったので 
悲惨な夜の続きにやってきた朝は 水を作る事から始まった

取り掛かる前には寒くて億劫だったけど
順調に飯が賄えるくらいの水が出来ると そんな憂いも吹き飛んだ

ただ レトルトを温めるくらいの水を拵えるとなると
燃料も時間も掛かるので スープはフライパンで直にやっつけた
パンも放り込んでやると いい具合にチャウダーが焦げてパンと馴染んだ

それにしてもフライパンは素晴らしいと
 此処であらためて思い知る事になるとは、、、、。


いつまでも陽が当たらない野営地を名残惜しいが後にする

東側の直ぐに手の届くところにある尾根には もう随分前から心地良さそうな陽があたっている
早くあそこで陽に当たって暖まりたかった

そこは昨晩取り付こうとしていた尾根だ
夜にはそれが見えなかったが
そこに尾根がある事は地形図を見ていたので判っていた

だけどその尾根に上がって判った
此処へあがっていたとしても 快適な寝床は確保出来なかったし
なんの助けにもならなかったと

そこは更なる藪漕ぎの続きが待ち構えていただけで
あるだろうと期待していた2x1mほどの平なスペースなんてのは何処にもなかった


夜の間になんどかケモノが叫ぶ声を聞いた
こんな小さな雲古をする奴にしては声が大きくて不気味だった
他の二人にも尋ねたけど 声を聞いたのはワタシだけだった
果て あれはひょっとすると怖がりの空耳だったのかもしれないな


野営地から二時間ほどで木賊の山頂に飛び出す

藪は終わったけど樹林はいまだ切れない
でも ここから少しだけ下ると眺望が望める

甲武信の向こうに北アルプスに八ヶ岳


閉じられた小屋まで下りて昼にした

誰一人水を汲みに源頭まで行こうと申し出る者は居らず

だから再びそこいらのツララと雪で水を作る

ツララで

晩の為に用意してきた鍋セットを昼に食った
小屋の軒下にあるテーブルを借りて なんの不自由もない快適なお昼だ

タスク 26歳の祝い
昨年同様寒い誕生祝いとなる
今年もシュトーレンをツダくんが用意していた

その手前のおっさんだがタスクの1.5倍ほど歳をくっている
そして撮影者はさらに二倍だ、、
頂上へは向かわず 軽快に下山 (ツダくん)


2015 タスク生誕登山祭 一旦おわり
2016 へとつづく

2015/12/01-02 鶏冠山にて

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