そんな事 今となっては年に一度出来るかどうか、、、である
事実かなり余計な時間を要したには要したけれど
あの日 お目当の車止めに着いたのは 確か9時かそこらを少し回った頃だったような、、
とにかく 10時にはまだ届かないくらいの時刻だったと そう記憶している
これでも精一杯早起きして出かけて来たはずなのだ、、、
確か6時かそこらには起きだして
もぞもぞと支度を整え
いぬをさんぽに連れ出し
そして戻り
飯をやり
おそらくam0700にはうちを出ていたかと
でもそれじゃあダメなのだ
週に一度の休みの日
その朝一番に お気に入りの谿沢へ入りたければだね
ほんとうに心からそう願うなら
もう少し(正確には数時間)早起きして
高速道路を誰よりも早く駆け抜けなければならんのである
そして 当然の事ながら 何処かで悠長に飯なんか食らってるなんてのはもってのほかで
マヨネーズがハンドルにくっつかない様に
それだけに気を集中させながら コンビニのサンドを頬張りつつ突き進むのである
たとえあのペラペラの食パンがだな
ぺったりと上顎に張り付いてしまったとしてもだよ
躊躇なく食い続けるのだ 黙々とね
見知らぬ何処の何方かに出し抜かれたくないらなば
それが*最善でこれ以上にはない方法なのであるから、、
*もちろんここに”ワタシに出来る”といった注釈がはいる事を承知しておいて欲しい
首都圏(はずれの方ではあるが)と呼ばれる地域に暮らす者にとっては
最低でもこれくらいの努力をしないとならない
--- これが努力と云えるのかは不明 ---
もしこの程度の努力を怠ったり
そもそも早起き自体をあきらめてしまったとしたら
その時点で一巻の終わりなのだ
休日なら九分九厘
例え平日だったとしても大方何方かにシテヤラレてしまうだろうからね
街で出会うつり人は一見ニコニコ顔でヒトも良さそうに見える
でもね 現場ではさにあらずときている
情けだの容赦だの
その類のモノは一切持ち合わせてはいなのである
--- ご自宅に置いてきていて持ち合わせがないという意味
さらに噛み砕いて説明すると キャッシュレス時代に小銭なんぞ、、である ---
早朝の谿では問答無用だから
後から来た者は素直に朝寝坊のツケ(移動の時間を割かれる)を払わさられる
ツケの相場はと云うと
運が良くて30分
仮に良くも悪くもなかったとして、、それでも最低1時間くらいは払わされるだろう
だとしても むしろそれくらいで済めば幸運だったと割り切るべきだ
なので もし我先にと云うのが苦手であるならば
予め想像できる突発的事故を想定しておくべきだ
そして 余裕を持ってツケ(時間)を払えるように備えておくと良いかもしれない
もっとも 寝る間を惜しめばその必要はないのだけれど
不運か幸運か ワタシは寝る間が惜しくないときている
なので毎回ツケが回ってくる、、と云った寸法だ
ただし
そんなツケも時として良い方に転がる事だってある
雨続きだった谿沢は
水嵩も高く水温だって思っていた以上に下がっていたんだけれど
先着者に追われ やむなく標高を幾百ミーターも下げさせられたおかげで
結果 厳しかったであろう自然の猛威がほんの少しだけ和らいだ、、と思われた
だから今回に限っては まあまあ幸運だったのだと考えていいのかもしれない
負け惜しみ半分ではあるものの そういう事なのだと自身によ~く言い聞かせた
しかし その日は移動に加えてさらなる仕打ちが待っていた
谿底に降り立って棹を組んでいたら忘れ物に気付いた
ハリスが無かったのだ
仕方なく
今降りてきた急斜を登り返し車に戻り
そしてまた駆け下った
だけれども この仕打ちと思われた悪魔の所業は
実はお天道さまの助言のようなもので
ええと、、、諸行っていう方のそれだったのかもしれない
(物は考えようとは良く言ったものである)
事実かなり余計な時間を要したには要したけれど
そうしてる間に谿底までゆるゆると陽がさして
薄暗く薄ら寒くかった流れの様子もだいぶ和らいだ、、と思われた
ここへ至るまでに色々とあったが
なにはともあれ
如何にかこうにか”つり”はじめるに至る
そして間もなく流れに置いた毛鉤にいわなが掛かった
高水でもいわなはそこら中に居た
どれもさして大きくはなかったけれどね
そして 朝からつりをするのは久しぶりだった事もあってか
細かい奴らが毛鉤をツッツキに来るのさえも
終始愉快だなぁ と そんな心持でいられた
出足が遅れたのですぐに昼めし時になった
けれども 腹が空いたのを少しだけ我慢してつり続けた
その後 川中の陽当たりの良い岩の上で飯を食った
そして昼飯の後もガツガツとつり遡った
わりと大きな深瀬にて
橙の縁取りが鮮やかで
大きく美しい尾びれを持ったいわなが二度三度と毛鉤を追ったけれど
結局そいつは掛からず仕舞いだった
ただ それで終わらせるのが余りに悔しかったので
悪足掻きついでに ウレタンの付いたデカイ鉤をヒト流ししてみたのだけれど
生憎四度目は無く、、、
正直未練はあったんだが
直後に毛鉤をちぎり取って その日のつりを仕舞いにすることに
陽が暮れる少し前
その朝に息を切らしながら無駄に登り返した急斜面を今度はゆっくりと登った
つりは愉し ふらい麻呂
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