近年は初期であろうと盛期と言われるこの時期であろうと
近郊の里でヤマメを釣ろうとすると 色々な意味で厳しさが身に沁みます
釣れないのは
単純に ”下手くそだから” だとも云われていますが
これについては多くの方々と比べた事もありませんので
それについての答えは一旦保留としておけるならば、、、コレ幸いです
とにかく
しっかりと釣りたいのであれば 言い訳ばかりしていないで
他の釣り人に倣い 早起きして暗いうちに家を出るなりしたらどうか
と指摘されるのでしょうけれど
その返答に至っては ”そうですね” とするしかないのです、、、、
毎朝いぬを散歩に連れ出すんですが 生憎いぬはあまり活発に動きません
そんなのんびりした動きの(いつまでも動こうとしない)いぬを急かして小一時間のうちに戻ると
今度はノラリクラリとなかなか進まないお食事の時間が待っています
どうにかこうにか食べさせてるんですが これが可なり手ごわいのです
店がある日はもちろん 釣りに行くその朝も同様です
毎日の事ですので慣れっこなのですが
釣りに行くとなれば何時もよりあと少し早起きしなければなりません
さんぽに一時間、、、、さらになだめすかしてご飯を食べさせもう一時間
ここまでで二時間です
いったいあとどれくらい早起きすれば誰かを出し抜けるというのでしょう
そんなわけですので なかなかどうして 我先にとはいきません
仮にあと二時間くらい頑張ったところで
おそらく丁度誰かの支度が終わった頃か もしくは早上がりの釣り人に出くわすのがオチです
兎に角 ワタシなんかよりも惜しみない努力を注いでいる方には歯がたたないのです
まあこれについて特に不平不満があるわけでもないので
今後もこの調子で のんびり出かけて運が転がり込むのを待つとします
谿沢で 流れる毛鉤を追いながら 今か今かと期待を膨らませるのは愉しいものです
そんな風に過ごしている間に少しずつ季節が進み
連休やら雑務やらで柄にもなく忙しくしていると
とはいえ その期待が成就することなどは稀で
割合的に云ったらほんとに微々たるもの
確率としては その妄想が単なる妄想で終わることの方が遥かに高いのであります
それでも その先にある小さな釜やそれに続く瀬は見るからに期待を抱かせます
あそこから素晴らしいやまめが飛び出すに違いない、、、
そんな期待というか幻想を抱かずにはいられないのです
しかし 再三云いますが結末はいつもなんて事もなく
極々普通で
ましてや夢見る幻想が現実に変わる事など滅多に起こりはしません
ですが その日帰宅すると直ぐに妄想だか幻想だかがぐんぐん膨らみ育ちます
そしてまた 今日は里で 明日は深山だ とか言いながら性懲りも無く出かけて行くのであります
春なのにやたらと暖かい日が時々やってくるのです
そうすると ちょっと日和って小沢のいわなでも揶揄いに行ってみようか
などといった傲慢な思いがよぎるんですね
でも いわなだって大した者でそうそうひっかかりはしません
ましてや いくらか暖かいとはいえまだまだ春なんですから
いつの間にか季節は初夏となっています
初夏なら奥の方の谿沢も良かろうと
またまた懲りもせずひょこひょこと出かけて行くんです
行くんですが 誰の頭に浮かぶそれは 皆大体同じときています
なので 毎度の事ですが結末はいつも一緒です
あわよくば残り物を授かろう なんて事は やはり起きてはくれません
唯一 綺麗なミツバが残っていたのは幸せな事でした
ここまで鳴かず飛ばずです
そうなると 毎年のこことはなりますが 懐かしの渓を目指してしまいます
想い余った行動なのは百も二百も承知なのですが
それでもやはり毎年それをやってしまうのです
ここいらへ釣りに来たのはおそらく10年ぶりくらいでしょうか
その前に来たのが前世紀だったのは覚えているので
ここ二、三十年で二度くらいは釣りに来ている事になります
最近は車を寄せるにも街道沿いとなると適当な場所がめっきり少なくなっていますが
幸いにしてその川の側に友人宅がありますので 断りを入れ車を停めさせてもらう事にしました
庭先で支度を整え ブラブラと集落内の坂道を下って道幅の狭い街道を渡ると直ぐそこが川です
橋から流れを覗き込み ひょいと降りて直ぐに釣り始めるつもりでいましたが
簡単に降りられると思っていたその橋のたもとは高い護岸となっていました
更にカミ手もシモ手も可成り手強そうな藪で如何にもなりません
そんな状況で辺りをうろうろすることしばし
結局それだけで可なりの時間を食ってしまいました
流れは昔と変わらず
水色も良くちらほらと魚の走る姿もありました
しかし いつも通りの辛抱の遡行が続きました
それでも 辛抱の甲斐あってヤマメは釣れました
最初に掛かったのを放して目の前にある小さな棚を上がると
流れは少し右へ曲り西へ向かいます
時間的に傾いた陽がキラキラと反射してやたらと眩しのですが
その先には 期待の持てそうな長い瀬が続き 瀬の途中に小さな釜を構えています
但し 打てば何処からでも出てくるなんて事はありません
初夏であるのにさながら真夏のヤマメ釣りそのものです
夕まずめという言葉がありますが
それとは逆に状況は厳しさをまして行く様でした
それでもヤマメは時々現れます
現れますがスッと毛鉤に向かってきたかと思うと
水面を破る前に帰って行くのです
奴らは完全に見切っているのか過剰なまでに用心しているのか
いずれにしても
目にもとまらぬ速度で
減速なしで
きついヘアピンカーブを描いて消えていくのでした
猛暑の初夏に
里の川で
半袖シャツ一枚になって
ヤマメ相手に神経すり減らしたのでありました
ふらい麻呂










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