2025/08/22

小屋へ行った

長いこと携わっている山小屋へ行った



毎年少なくとも一度は行っている、、、確かに行っているはずだ

(一応断りを入れておくが 決して義務感から行く訳ではない、、、特に誰に向かって言うつもりはないがこれだけは確りと記しておこう)

ただ ”さかな釣りが出来る季節に” となると

一度行くか 行かないか

で さかな釣りをするか如何かとなると相当に怪しくなってくる


幸いにして さかな釣りは好きな方なので

この時期に”いわなでも釣りに小屋へ行こうよ”と誘われれば特に断る必要もなく

暑さ厳しいこの季節であれば尚のこと

あの涼しい沢沿いの小屋へ行くのを拒む理由もない


だからと言って

昨今は なまじ ”よし釣ってやろう” などと意気込んで出かけて行くと

伸ばした鼻っぱしらを完膚なきまでに挫かれることになる

 ”なんだい いくらでも釣れるんだな” と いい気になっていた頃からすると

現在のあの界隈は とおの昔に別の世界へと往ってしまった様である



何十年も前に 幾つもの支流からなるこの流れを

下手から順繰りと釣り探り遡って来た

そしてついには此処へ辿り着いた次第である

(一気に来ていれば話はもっと早かったのだけれど 途中途中が楽しくて随分と時間を要してしまった)


ここには 布団があって 頼めば食事も出てくる

更にいわなが幾らでも釣れる となると 夏の間はもう此処だけで良いんじゃなかと

あの時は素直にそう思ったのだ

それは極々当たり前で

なんと言っても重たい荷物を背負う必要もなく

此処なら棹だけ持ってくればいいのである

だから そこは素直に日和ったわけである


辿り着いたあの日 あの時の感覚は今でも忘れられない

今更何がどうだと詳しく説明するのは難しいし

それに 敢えて記すのが憚られることだってある

とにかく 此処が山小屋であるにも関わらずだ

翌朝になっても誰一人(一人二人はいたかも知れないが)山へも行かず

暖かくなって来た頃に薪を割り始める人

大岩の上で日がな一日過ごす人

もちろん朝から庭?先でビールを飲む人は普通で

そのいずれの者らは小屋で働いている訳でもなく

あの人たちはただただ此処へきて

数日そうやってここで過ごし 飽きたころに来た道を辿り街へと戻って行くのであった


幸いワタシは釣りが好きなので

いつまでも炬燵でぐだぐだする時間こそ多くなっては来たものの

終日そうやって庭先で過ごすまでには達していない

いつかそうなるのではと思うが

幸か不幸か今はまだ釣りをしたりして過ごしている



あれから大分長い時間が経つが

小屋と小屋番は 変わらずあの谿間でこれまで通り頑張り続けている

そして我々も頻度こそ減りはしたがいまだ通いを続けている


現実には 台風や大水で周辺の環境はがらりと変り

それによって制約も生じ 小屋のあり方も変わって来ている

沢だって刻一刻と流れを変え

沢沿いの道は消え その後河原が踏まれ その踏み跡がまた道になりつつある

同様に此処へ来る人たちの目的も意識も然り

そういったこと全てが刻々と変わっていくのである



在りし日のヤナギの回廊を抜けた辺りのテン場らへんで

残念ながら 何もかも自由だ と思っていたあの頃とは全く違う世界になったのだが

(あくまでも個人的な思いです)

まあ それもごく普通の時の流れなので逆らうつもりなどは全くない


特に変わったことをあえて上げるとすればこの辺りでの釣りだ

これに関しては ワタシの手に負えるものでは無くなっている

昨今の此処らのいわなときたら

馬鹿話をしながら適当に毛鉤を振り込んでも一向に相手をしてはくれない

となると 通常 釣り人としてはあれやこれやとやり繰りし

出来る限りの努力をするものらしい

が ワタシはそういう事が大の苦手ときている

いずれの向き合い方が間違っているのか それとも正しいのかの判断はつかないが

いやなものは嫌なので 無理して要らぬ努力をする必要はないと そうする事にしている

そもそも釣りとはそう云うものと決めつけているし

遊びである以上過度なストレスは避けたいのである


まあいつもの様に

釣りに関しては釣れない言い訳を長々と述べさせてもらったわけである



とにかく 今年もいつもの様に浜松の衆らと小屋へ向かった

その道は これまで通り 起伏があるのか無いのかはっきりしない林道で

所々崩壊著しいが それ以外は何十年も前と同じで

歩いても歩いても一向に小屋は近づいてこないし

歩いている間中、、、帰ってきた今でも、、、遥か下方にある谿底の流れが気になっている

だからこれからも此処へ通うことになるのかなとも思う

  釣りをするか否かは判らないけれど、、、


浜松の衆は その土地柄 林道歩きに達観しているのだが

ワタシはその域にはまったくと言って良いくらい及ばない

おそらくあの領域に達する前に歩けなくなるだろうけれど

それでもまだもうしばらくは どうにかして彼らに喰らいついていきたいと思っている


夏に ”林道超エリート” の浜松くん達と共に歩いて思った事

”林道エリート” のふらい麻呂

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