2023/03/22

秋冬のやまで その1

 


つりの季節が終わったのでやまへ行く



この春夏は

とうとういぬを釣に連れていってやることが出来なかった

なのでという訳ではないが

谿沢が閉じて直ぐにいぬをやまへ連れ出した



いぬはどうか知らぬが

暖かい季節をずっと谿底で過ごした身にはいきなりの急登などは毒なので

先ずは足慣らしにと長い林道をぶらぶら歩いた

林道の脇には小沢がながれていて

時々そこへ降りていってはいぬが沢で水を飲んだり浸かったりしている

とにかくそんな感じでのんびりぶらぶら歩いた


林道が終わると笹からカヤトへ続くつづら折りの山路になる

ここまで殆ど平らな道だった事もあり

谿を巻くように上る道に入るとすこし息が切れた


そうやって小一時間も登ると

秩父往還から少し東へ外れたところにある峠に上がれる



ここは今までに何度も来ている場所のひとつだ

最初に来た時も確かいぬと一緒だった

(もしかしたら最初じゃなくて二度目か三度目だったかもしれないけれど、、)

あの時もやぱり秋口だったか冬の初めだったか

とにかくそんな季節だった


あの時のいぬとは

ここの峠から稜線を伝って往還が横切る次の峠まで歩いた事がある

このいぬだって連れて歩けない事もなかろうが

こいつは自ら休憩を要求する様ないぬだから

きっと日帰りでは無理だろう

どこかで野宿するという手もあるにはあるけれど

そこまでして真似たところでなんの意味も無い

そもそもこのいぬはこのいぬが歩きたい様にあるけばそれでいいのである



峠は風が強くて

お茶を飲んだりまんじゅうを食ったりしている様な感じではなかった

なのでベンチでいつかと同じように記念の写真を撮って

そそくさと来た道を引き返した

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