2022/03/18

里川で


早春にわざわざ釣りに出かける理由というのは幾つかあります(実は幾つもある)



その昔 まあまあ若手と呼ばれていたワタシも

21世紀が二十年を経過しようかといった頃から

あとどれくらい釣りに行けるかな?と思うようになってきました(実際はもっと前から)

そしてその答えはいつも同じで ”勘定できるくらいしか行けないじゃないか” とその度に思い焦る


そんなわけですので

釣りに行く理由(早春に限らず)というのは

その一、行ける時にはかならず行かなければならない。 となります


その二、その三、その四、、、に関しては幾らでもでっち上げられるんですが

”その一” が全てなんじゃないかと思われます

ですので

これ以上うだうだと言わない方が身のため人のため

ひいては世界のためとなりましょう



とにかく早春にさかな釣りへ行くことに特別な理由なんか必要ないんですね

寒い時期は山へ通う

暖かくなったら釣に向かう

そのように季節の流れにただただ流されるだけなんです



これをご覧になって

”なんだもう釣にいったのか 今年はやたらとやる気だな、、”

と思われた方もおられるやもしれませんが

それについては

ただ単に此処へ来て突如として暖かくなったものですから

季節順応型とでもいいましょうか ”釣に行かなければ” と脳がそんな指示をくれたんでしょう

それだけの事です

いつもと通りの面倒くさがりやなつり人に変わりありませんのでご安心を



里は桜が見事に咲き誇っていました


ただし花だの草だのを愛でていると碌な事になりません

特に春まだ浅く

ようやっと釣の季節が巡って来たそんな時分には

ただでさえ下手をする事が往々にしてあります

なにしろ昨年の秋から棹を振っていない訳ですから

それはもうなにが起ころうとも(起こっても気がつかないことも)不思議はありません

そこへ来てよそっぽなんぞ向いてた日にはもうお御仕舞も良いとこです


そもそもそういった花がなんだとかどんな鳥が如何したとか

そんなのは釣れない時の逃げ口上な訳で

釣り始めるまえからそんな事に気を惹かれていてはイケません

花だの空だの鳥なんかを見上げるのは昼飯の時ぐらいにして

とにかく一刻も早くどんな手段を使ってでも自分を安心させなければなりません

しかし手段を選ばず手を尽くしたけれどダメだった、、ならしかたありません

存分に首が折れる程に見上げてください

そして事細かに 誰にでもこの春が伝わる様 花や鳥を観察しておきましょう



それにしても里の川はいいですね

暗くて気味の悪いところなんてのはそうそうありません

そもそも路も近くて出入りが自由ときています


車で川縁に乗り付けたら

さっさと準備を整えて直ぐ川へ降りられるのも良いですね

唯一気を使うとすれば往来の車にケツを見られないように着替える事くらいでしょうか

まあ たいして車もヒトも通りませんのでそれとてたいして気をつかいません



その釣はといえば、、、


予想に反して直ぐにさかなの反応がありました

しかしその後は思った通りの展開です

いつも出脚が遅いので誰かに先を越されているに違いありません

そんな事を考えつつ釣りあがりました



幾つ目かの橋の袂までくると

近所の方が岸の上から此方を眺めていました

里で釣をしてるとよくある光景です

正直やり辛いですが仕方ありません

その時モズがやたらと近づいてきてその辺の梢に止まりました

ここまで鳴かず飛ばずです

手を休めてモズでも撮ろうかと思うと直ぐに居なくなりました

やむなく棹を振り続けると上手い事毛鉤が流れた様でさかなが掛かりました

つとめて平然かつ淡々とやまめを寄せて

岸の上の方に挨拶して二言三言、、、、、

来ただけの甲斐とまではいかないまでも春さきにしては上出来でしょうか



陽が暮れる前に竹藪の切れ目から村道に這い上がると

畑の向こうを飛んでいた鳥が丁度電線に止まるのが見えました

首から下だったか上だっかが青い鳥でした



春に里で

 ふらい麻呂

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