2021/07/29

つり棹


棹の事でも


先日 と言ってもだいぶ経ちますが、、、問屋さんへ小物を発注しました
(一応商店ですので)
すると 担当のホリイくんからもう少し何か買えと言われまして
それで、、、やむなく今シーズン新しく出たと云う6'6"の棹を追加してみました


個人的には棹なんてもういらないんですけど
ひょっとしたら誰か買ってくれるんじゃなかろうか、、なんて淡い期待もありまして

そうそう これと同シリーズの棹で更に小継のを以前から使っています
なので(?)今回注文したのも当然小継です、、、仕入れ品の選別理由になっていませんが

だけど ほら例のやつが発令されて未だ商店は開店休業状態です
となれば 売れるまで待ってた日には腐っちゃうかもしれません
さて困りました(捨てるわけにもいかないし第一勿体無いですよね)

そんなこんなで急遽ワタシが使うことにしたと云う次第です

その様な事態から この棹は商品から店頭設置の仕様見本となった訳ですが
現行品として購入可能な棹のサンプルが出来たという事はとても良い事です
ですので実際にいつでも店先にて振り回して頂けます
その際は是非お気軽にお申しつけください


となれば その棹の話、、ひいては小継の棹についてとなりましょう

なにはともあれ小継棹が好きなんです

なんで好きなのかというとですね
畳んだ時のあのバラバラっとなる様が見ていてなんとも微笑ましいんです
(わけわからんですね)(パラパラのとこは音だと思って頂いてもいいです)

あとは 当然ですが仕舞い寸がとてもみちかいとこですね
短く収まるからルックサックにも難なく仕舞えます
もしザックに入らなくて脇に刺したとしてもそれほど出っ張りませんし
仮に出たところで突き出る部位が割とちょっとだけになりますので
ヤブを漕いだりとか灌木をくぐったりしても案外トラブルが起こらないんですね
とりあえずそれだけ取っても良いとこずくめです


昔は小継だと「調子がなぁ、、」とか(アクションっていうんでしたっけか?)
そういった性能面について否定的な事言う方もおられましたが
ワタシの場合ハナっから性能なんてを気にした事がありません
というか 分かんないんですね
そりゃあ やっこいこわいかくらいは分かりますけど
その先の話になると途端に眠くなっちまうんですよ
 
兎に角 同モデルの棹に小継があれば迷わずそっちを選びました
目方も値段も幾らか増しますが そこは”好き”なので仕方がありません

もちろん二本継の棹だって幾つも持ってはいるんですが
どうしてか 何処で釣るにしても大体マルチピースを持って行くんです
なぜなんでしょうか
二本継のほうが準備に手間がなくて良いんですけど
好きってのは何にも代え難いって事でしょうかね


いつ頃からでしょう
気がつくと小継の棹がごく一般的な仕様になっていました

最初はなんとなく勝ち誇った様な喜びを感じていたんですが
結果しかし それが次第に面白く無いなって そうなってきて、、、

ほら 根っからのへそ曲がりですので
みんなが使ってるものだとか 所謂流行りものには酷く抵抗があるんですよ
だからと云って今日からワンピースや二本継しか使わないって事にはなりませんけどね

(画像は釣り具の甲州屋さんより拝借)

ワンピースと言えば、、
子供の頃に毎日のように使っていた”のべ棹”がワンピースでした

ワンピースというと聞こえはいいですが 残念ながら当時のそれはただの竹の棒切れです
葉っぱを払っただけだですから 真っ直ぐなのはありませんでしたね
詳しい事はわかりませんが乾燥させた ただの竹ですからそれが当たり前なんでしょう

そんなのが駄菓子屋の軒先なんかに束ねて置いてありました
掬い網とか 四つで網とかと一緒にね
そうそう瓶どうもありました あれって今使ったらいけないらしいですけど

ワンピースの竹棹の話に戻りますが
あれは使ってると 先っちょが少し折れ また少し折れてどんどんみちかくなって行くんです
たとえ折れなかったとしてもぐにゃっと曲がったまま癖がつくんですね
なので曲がって垂れ下がった側を反対にして使ったりと そうやって表裏交互に使うんです
今なら火で炙ってやろうか そんなことも思いつきますが いかんせん子供です
当時はひっくり返して使うくらいしか抵抗の術を思いつきませんでした

兎に角あれはちょっとずつ折れていくんです
それか自転車のスポークに巻き込んだりたりして一気に逝ってしまったり、、

折れて短くなると釣棹というよりもただの棒になるんです
一間か一間半かそのくらいだったのがいくらもしないうちに半分くらいにね
でも そうなったとしても捨てることはしません

短い棒切れになったら 今度はザリガニ釣りに使えるんですね
その頃には先っちょが鉛筆ほどの太さもありますが
そこへ凧糸とか 母ちゃんの針箱から木綿糸を失敬してきて結ぶんです
餌はカエルが一番で スルメなんてのは二流のど素人か近所の*住宅のやつらのやる事でした
*(住宅とは 農家以外の新興住宅街の人たちのこと お婆ちゃんや母ちゃんがそう呼んでた)

だからフライ用の竹棹が折れたってなんて事はありません
気にする事なんてありませんよ
2インチかその倍か無くなったところでご安心下さいな
ザリガニ釣りには全く差し障りありませんので
レオナルドでもなんでも同じです
そうなった時にはぜひに”宅のお坊ちゃん用”の素敵なザリガニ棹にしてくださいね


なんの話でしたっけか、、?
そうそう無垢の竹棹の話でしたっけ

そんな棹を使っていたこ汚い子供も自然と育ちます
貧乏でもそれなりに育つものでなのです

すると(育つのとは関係ないですけど)不思議とどこで手に入れたのか
はて 実際に貯めたのか はたまたくすねたかは別にして
 ”ヨォシ これでグラス棹を買うぞ”  となる時が訪れるのです
(当時は車のオーバーフェンダーやスポイラーがグラス製でした 子供ながらに意味もわからず憧れたものです)

引っこ抜いて乾かした無垢のバンブーロッドからの脱却ですね

そうです ** ”さらば青春の光”のあのスクター隊列に入れてもらったような高揚感を胸に
しかし 現実には子供がランブレッタに乗れるはずもなく
代わりに***前ブレーキを外したり泥除けをとっぱらたりした改造自転車を漕いで
意気揚々と****オイカワ釣具店にむかったのです
そして厚めのビニールケース(実際は袋状)に入ったグラスの振り出し棹を棚から掴み出したのですよ

** (Quadrophenia は映画版の日本語タイトル この当時公開数年前の話なので少年がランブレッタを知る由も無い)
***(前ブレーキを外す事で前輪がくるくる回せる 勿論ここでいう自転車はBMXなどではなく普通のママチャリ)
****(旧街道にあった馴染みの釣具屋)

今でも忘れません あの振り出しのグラス棹は正に目から鱗というやつでした、、ホントに

だからでしょうか
今でも棹はグラスのそれが一番好きなんですね
とはいえ ”遠い昔を懐かしむ” だとかそんな淡い想いの様なものからではありません
とにかくグラスが良いんだよう、、としか言いようがないのです

そういえばこれも小継同様に一部で流行りの兆し(既に流行済み?)がある様ですが
こっちは流行ってるから嫌だとか そういった気持ちはあまりありません
いくら流行りとはいえ グラスに関しては不思議とその使用割合が低いってのもあるんでしょうか

いずれにしてもどうでもいい話でしたね


あれから(クソガキが自転車漕いでグラス棹を買いにいった暫くの後)
世間一般に大人と言われる歳になるまで
(正確には渓流の餌つりにて さかな釣に復帰するその時まで)
カーボングラファイトなどと呼ばれる素材が この世を席巻しているなどと言うことを全く知りませんでした
(全く知らなかったと言えば それは嘘になり 正確には興味が無かった? が正しい)

現に ぶどう虫を餌にやまめ釣りにて(さかな釣りに)復帰したあの当時にも
普通にグラス棹が棚に並んでいました
なので あの時も振り出しのグラスを迷わず購入したのです

その後 釣行前の餌の入手が面倒になり 馬素で毛鉤を振り込む釣りに変えてと、、
そうやって釣り方そのものの変遷を重ねて行ったわけですが
それからいくらもしないうちに
販売されていた棹の殆どがグラファイトとなっていました

ですので フライの棹を買う時にはなんの躊躇いも抵抗なくカーボンという物を購入しました
当然ですが今でもその頃に買った棹は大事に(扱いは荒いですが)使っています
が しかし 出番が多いのはやはりファイバーグラスのそれなのです
(そんな頃でもグラスがあればせっせと入手していましたので)

何故グラスかと言われても上手く説明がつきません
おそらく せっかく良き日に釣にいくのだであるから ”好きな道具を携えていきたい” とそんな想いからなんでしょう
そういう風に考えてみるとなんとなく自分でも納得できるような気がします

さて 小継が好きでグラスが好きだとか
とことんそれが好きだという話に終始していますので
ここでとどめです

唐突な結論(すきなものベストなんとかです)です
グラスが一番で つぎに竹(切り出したのべざおです)となります
そしてグラファイトなるものは申し訳ありませんがなん番にも入りません
現行 他に何かそれらに変わる素材があるのかも知りませんので実際には三番でしょうけど
とにかくワタシにとっては グラスが一番 竹が二番 3時のおやつは、、、なのです
(くどい様ですがその竹はクアドでもペンタでもヘキサでもないんですけどね)

話がだいぶ外れました
素材の話(好みの話)はいずれまたということで一旦あっちへ置いておきましょう
(これが肝なんだと思われるかもしれませんがポイッです)


小継の話に戻ります

時々 浜松の連中に騙されて 山の奥深く それもうんと深くへと連れ込まれるんですが
(騙す輩は浜松の連中に限りませんが)
そういう時にとても重宝するんですね この小継棹っていうのは
とにかく仕舞い寸がみちかいので色んな意味で勝手がすこぶる良いいんです
さっきも言いましたが藪こいだりする時なんか特に

それからつりに行く時はだいたい車で行く事になるんですが
車に積むにも小継は最高です
二本継だと結構長くなるんすよ 例えば継いで一間だとしても畳んで3尺もあります
そうですケースに入れたら1ミーターほどもあるんですね
(大凡6feetの棹でと云う例えですので みなさんがお持ちの長尺棹の場合はもっと長くなります)
時に何処へ置こうかと、、ああでもないこうでもないと荷物の位置が決まらないことがあるんですけど
それが小継だと半分になるので、、半分の長さとなると何処へでもスッキリ収まるって寸法です

苦もなく荷室に収まるその姿を見ると 心が静まりかえり 穏やかな心持ちにさせてくれます

大げさな、、、と思われましょうが
でも それは真実なのです こころは解き放たれるんですよ

大事なことですね こころが解放されるっていうのは、、、

解き放たれたこころには余裕が生まれます 嘘だと思われるかも知れませんが本当です
余裕は結果にもつながります まさかの坊主も少しの余裕で救われるのですよ

きっと誰にも思い当たることがあると思います
全てから解き放たれたその時、、、ありますよね?

布教的精神論(か如何かはわかりませんが)になって来たので
この話は一旦仕舞いにしましょう


次に 棹が決まれば 必然的にラインの重さについても話ておく必要がありますね
(はい 論理的な話でなくもちろん何番が好きかって事です)

ライン指定4番が好きです(これ以上聴きたくないですよねワタシの好み)

ほぼ渓流でしかつりをしないので5番以上とかはあまり使いません
(うんとたまに大川でマルタ釣ったりする時には使います 信じないかもしれませんが7番とかも)
なのでほぼ9割がた4番を使っています

3じゃダメなのかとか2でもいいんでは?なんて疑問を持たれる方もおられるかと思いますが
「ワタシは4です」
3でもいいんですよ 別にね
でも4なんだよ 失礼しました 4なのでございます

そうそう
先日ヒラタさんが見えて
棚にあるエアセルを見てこんなん置いてあるのかって感心(馬鹿にしてました)なさってましたので
すかさずそれ”使いますか(買えよ)?”って尋ねたところ
 ”最近は00番か0番を使ってる” とか何とか訳のわからん事言い出しました
とても軽くてしなやかで流しやすいとも仰ってました
(風に流されるは細くて絡むは使えないんじゃ?と思いましたが口には出しません)
でも ほんとに何をおっしゃってるやらさっぱりです
で そこにあるエアセルは買わないんですかと蒸し返しましたが、、、んなものは要らない 様でした

単なる ある日の午後の出来事 という事で、、、
三たびワタシの好きな番号(番手?)の話へ戻ります

一体全体4の何が良いのか、、と言われましても またしても困りますが
あえて云うなら4の字面が好きなんですね
ついでに言いますが8のそれもかなり好きです
けど8は縦にしても横にしても良い感じですが実物はあまりにぶっといので、、、

字面がどの様に見えるかと云った 文字形の話になってきましたので
ラインウエイトの話はとっとと終わりましょう


早々にラインの話が終わったので
始めの方に戻り 問屋さん(メーカーさま)から売りつけられた(勧められた)棹の話に戻り
不覚にもここまで読み進めてしまった方々を更に偏りの深みへと沈めたいと思います

とにかく 四番愛が故に当然の様に4番ライン指定の棹を選んで発注してみたのです
(仕入れの際は自分の好みの物しか選びません と云うか買いません)

そうりゃそうですよね 気に入らない(それほど使わない)物を手にとって
 ”お客さま これが最高で最適なんですよ” なんて そんな空々しい事言えませんから

好みといえば見た目も大事です(いや見た目こそ大事です)
ですので意匠についても少し触れたいと思います

要するにガイドのラッピングとかリールシートとか棹の仕上げですね
直接的にはその棹がどんな意匠であろうが釣果には一切影響ありませんが
”気持ち”というのは大事ですので 気分を盛り上げるという事でも見た目は特に大切です

例えばブランクスの塗装色 リールシートの素材云々かんぬん、、、

ワタシの場合それらにプラスしてガイドのひねり方向が加わります
そうです へそ曲がりなのでみんなとは逆巻のガイドが好みです
リールシートについてはコルクが好きです
なんといってもあのキッチリとリールが留まる感覚、、、コルク最高です

銘木の類も好きです が 水につけて放っておくとブヨってなるのでご注意ください
あれはワタシの様な無精者には向きません

色艶や他の好みに次いで大切なのは 通常ですと棹の調子となるんでしょうけれど
これについては特に気にしていないので ワタシにとっては如何でも良い話題です

他の方々がどう思っているかは知りませんが
まあ重要度からするとそんなものは無いに等しいですね

これについては最初の方でも言いましたが
ちゃんと理解出来ていないと云うのもあるんでしょう
色々と違いがあるくらいはふわっと頭にあるんですけど
でも 更に細い事になるとね、、、気絶する様に眠りについてしまうので、、、
揺り起こされてでもすれば ”ですよねぇ”  とくらいは言うでしょう
けど 実際には眠ったままです

はい 無意味だと思ってる事には特に反応が鈍くなります


ここからは初心者または始めて間もない方へ

特にこれからこの不可解な釣りを始めよう!
と そんな考えを持っているのであればいろいろな意味で ”フリ”  は禁物です

でもご安心ください 用語や理屈なんて そんなものが分からずとも魚は掛かります

まずは暇(時間)を見つけて川へ行きましょう
なんども行けばきっといつかはさかなが掛ります
知った様な事を吹いたり こ難しい用語や理屈をおぼえるのはそれからでもぜんぜん遅くはありませんよ

実際のとこ棹なんてのは
さかなが掛かった時にそれをちゃんと寄せてくることが出来さえすれば良いのです
要は その”用”が足りるって事が肝心なのです

始めたばかりで何も分からないのに
無理して棹の性能(調子)を理解しようとしてもそれは無駄です
無駄は言い過ぎかもしれませんが
でもそれを知った(理解した)ところでどうなりましょう
きっと直ぐにまた違う棹が欲しくなるだけです
だから まずはいまある棹でさかなを釣ることに慣れましょうね
悪い事は言いません そうしなさい


すこしだけ現実的な話も、、

うちの店はそれほど多くの釣りのお客さんが居る訳ではないのですが
それでも時々 ”どんな棹が良いか” とこれから釣りを始めようとしている方から尋ねられます
なのでいつもお手頃でそして使い勝手の良い棹をお勧めしています
(いきなり何でも良いから安いの買えとは言いません)

お手頃と云うのは だいたい2万円くらいでしょうか

正直フライ棹の価格は高いです
なので2万円というと正直安いとは思いませんが
ことフライ棹に関していうとまあまあ手の出しやすい値段になります

使い勝手については人それぞれなので
ここでは ”癖のない素直な棹” とだけ記しておきます


余談(補足)となりますが
今回この6foot6inchの棹を選んだのは
短棹が好みで更に4番指定がライナップに新たに加わったからです

だいたい良い長さだなと思うと3番しかないって事が多々あるのですが
今回は珍しく長さ番手共に合致したと言う次第です

誰かに買ってもらおうと言うのに自分の好みの棹を仕入れるのです

一見変に思われるかもしれませんが
先にも記した通り 使った事もない道具を
白々しく さも素晴らしいですよ などとは口が裂けても言えません
(これはうちで販売しているバックパックや道具類も同様です)
なので普段から馴染みのある仕様の道具を揃えている?という訳です

そんな事もあり うちの店では多くのアイテムの中から選ぶ事は叶いません
それと棹については使用済みの展示品があるくらいで新品在庫はほぼありません
(バックパックや山道具はもちろん新品未使用です)
そんなわけででお急ぎの方には用が足りませんがその点はご容赦ください

その代わりと言っては何ですが
店の前で気兼ねなくそれらにラインを通してお試し頂けますので
お気軽に”振らせて”と申し付けてください


最後にこれだけは肝に命じてくださいね

「棹を買うなら the nero で」、、、なんてことは決して考えてはいけません

ふらい麻呂

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