昨年はとうとう行かず仕舞いだった
例年一、二度九月頃になるとoff craftのなかさんから声が掛かるが
昨年は 彼が漁期終了までに釣りに復帰できなかった様で行かずに終った
今年は如何かなと思っていると九月も半ばになって何時もの本流へと誘われる
お互いあちこち万全ではないので
何時ものカミ手ではなく 広くて楽々なシモへ入りましょうとなり
広くて楽々ならと 二つ返事でひょいひょいついて行った
実際入渓からして楽々で
この前のはままつくんと行った谿同様 あっという間に谿底に降り立つことができた
この前と同じ様だってのがちょっと気になったけれど
広くて楽々という響きはとても心地よく
いつも通り谿が暗いのは仕方ないけれど それでもきっと楽々釣れるんだろうなとこの時はそう思っていた
確かに楽々と谿へ降りる事は出来た
それに谿とはいえ本流という事もあり
それはそれは広々とした川幅で投射だって楽々であった
楽であったが しかし 行けども行けどもなにも起こらなかったのである
時々さかなが見える 見えるがそれだけで何も まったく何も起こらない
そしてそのまま高巻き地点に、、、
巻きがあるとはなんとなく聞いていた様な気もするが
ここまでの大高巻きとは思ってもいなかった
まさに単なる思い込みだ
なので そこは素直に巻きに取り掛かった
ちょっと足元が悪いが灌木に掴まればどうという事もない斜面だったのであるが
諸々事情もあってこの時は片手が思うように使えなかった
それでも此処を這い上がらなければ先へは行けないので しかたなしに這い続ける
わりと楽な方へ楽なほうへと迂回しながら そしてどうにか壊れた軌道跡に這い上がった
軌道跡を歩きながら”此処は如何かしらもう少し先かしら”と せっかく登ったばかりだというのに
今度は下るところの目星をつけながら そして壊れた橋に怯えながら暫く歩いた
そうして
これを支尾根と呼ぶには可なり無理があるが
見ようによっては 尾根と言えば尾根である
とにかくそんな尾根を下った
途中 虎ロープが現れてやれやれとなるも
この信用ならない古びたナイロンのロープに片手でしがみつくのは、、、、
そういえば高巻き前に それもだいぶ前に 彼は一匹釣っていた
まさか やまめを釣ったのではあるまいな と思い声を掛けて確認したが
それは 幸いにしていわなだった
![]() |
| いわなが居そうな所でいわなを掛けるoff craft |
いつだったか足首をねんざして それが治りきらないうちにこの辺りへ釣りに来たことがあった
あれはまだ はままつくんが東京でブイブイいわせてた頃なので三十年かそこらも前だ
確か前の週かその前かに二人して鹿島槍あたりの谿へ行って足を挫いたんだった
何故かあの日はうちの兄のMTのトヨタで出かけていたのだが
足がこんななので運転してくれと彼に頼むも MTは無理だとかなんだとか言われた覚えがある
結局は高速のPAで運転を代わってもらい
高速を降りたところでまた運転を代わり そのまま学芸大だか都立大駅前の焼肉屋へ行ったんだった
さかなが釣れないとあれこれ考えたり思い出したりする
考えるならもう少しどうしたら釣れるのかとか ちょっとは努力方向へ振れた思考を持てばいいのだが
どうも余計な事ばかり考えたり
果ては走馬灯が廻り始めたりするのか昔の事を思い出したりしてしまう
それはそれで良いのだが ほんの少しで良いのでさかなも釣りたいと思うのである
結局のところ
今日はこのままなにも起こらずに終わるんだなと思っていた矢先
とうとうやまめが釣れた
あきらめていた矢先に釣れた
流れを覆った枝に邪魔されて棹を立てられないでいると
やまめはぐるぐる回って鉤を外しにかかってきたのだが
offcraftの悔しがる顔が見たい一心で強引に浅瀬に引っ張り上げた
果たして 彼は駆け寄ってくると
此方の期待通り
悔しそうに
”きったねえなぁ” と満面の笑みで称えてくれた
それにしても また釣りが出来るようになってほんとよかたですね
秋に ちちぶの谿底で
ふらい麻呂








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