2016/05/29

春の鳳凰山

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予報は晴れだったはずなんだが 濃い霧で まるで雨のようだった


いつも通りに届けを出してから登り始めた


正直昔は 入山前に届けを出す事など殆どしなかったが
何時からかは忘れたけれど 今は出来る限り届けを出してから進む事にしている

実はこれには理由があるんだけど

ワタシは家を出る直前まで --- では無く 車を山の方へ向けて走り出しても ---- 行き先を決めずにいる事が多い
なので 度々 家の者に "何処其処へ行ってくる" と告げないまま家を後にする事がある

方角的には ほぼ九分九厘 家よりも西へ向かうので
仮に行方知れずになったとしたら 西の方の山域で出されている届けを探って貰えば
たとえ行倒れたとしても 探し出してもらえるかと思っている

しかし その為には --- 捜して貰うには --- 届け出は出さなくては成らないのだよ
だからね



実際には ソレを自分が記入した訳でもなく
結局のところ "なんで雨なのよ" とか三人して東屋の下でボヤいてる間に
オオワダさんがスラッと四人の素性を記して投函してくれた

そう もうわかったかと思うけど 総勢はなんと四人なのである

まずは お馴染みの仲良しカップル ツダくんとショウヤ
それにオオワダさん
そして パティー慣れしていないワタシを入れての四人組



霧はいずれ晴れる くらいの事は 予想できてはいたんだけれど

それでも 登り始めて直ぐというのは やっぱり少し不安なものだ
昨晩よりも予報が悪くなっている可能性だってあるからね
だいたい一晩中予報を追っかけていた訳でもないから



予報通りか如何かは不明だが
峠をやり過ごして 暫く登って行くと
霧がぐんぐん流されて
それが東側の谿へどんどん落ちて行くのが見えた



その先の 毎度おなじみ永遠の樹林帯へ入って暫くすると
左の谿を挟んだ向こうの視界が開けて大きな山が見えた



樹林が切れたひらけた所で小休止

すると



どこまで仲がいいのか
疲れを知らない仲良しカップルが雪合戦を始める
ワタシは なるべく被害に遭わないように
注意深く彼らを観察しながら側でラーメンを茹でる





陽が出て
突如として光の加減が変わると
瞬時に暑くなってきた



遠くも見渡せるようになってくると
朝のあの不満も何処かへ失せた



次の休憩地でもこの仲良しぶり
さっきのは "少し肌寒かったので雪合戦" だったように見えたけど
今度の彼らのコレはなんだったんだろう



テン場でも "隠しごとなど僕らには何もないんだよ"
といったこの仲良しぶり
お揃いのテントを並べて、、、、y m c a、、、



あくる日は快晴だった



山で寒い夜を過ごした後に目が覚めて
文句のつけようのない位に空が青く晴れ渡っているというのは
何にも変えられない程に嬉しい

ワタシなど 今日は何処へも登らず
一日中此処に居ても良いかな と思えるくらいに気持ちが良かった
現にそうしたかったんだけど
みんなで来てるから そうもいかないんだよ
それにこんな日には 高いとこへ登るのが 更に愉しいんだ って事も分かってるしね



こんな日は 眺望もナイ樹林帯でさえも愉しのだよ
枝葉の隙間から射して来る陽が 何かの模様みたいに見えたりしてね



先を登っていた仲良しカップルの片割れが
のろいワタシ達の到着を稜線で出迎えてくれた

その時の青い空が本当に美しかったんだけど

だけど 其処へツダくんが
まるでタイマーか何かでセットされたように
カチカチっと現て
そして可笑しな表情をこちらに向けて我々の息を乱したんだよ

あの人は本当に可笑しな人だ



稜線に上がると平らになるから
ワタシもそれ程置いてかれたりしないで みんなと一緒に歩ける
うんとたまになんだけど こうして大勢で歩くのも悪くないね

でも 正直なところ 一人の方が気が楽なのは確かだ
だからと言ってパーティーを組むのが嫌だって意味じゃあないんだな
ペースを気にせずに済むから "ただただ気が楽だ" という事にすぎないってコト



それに 普段は写真を撮っても風景ばかりだから
こうして人が入り込んだのが撮れるのも愉しいね




ホシガラスが岩の上から飛びたった

本当は向こうの方へ飛んで行って欲しかったんだが
こっちの都合通りには行かないよね 何事も、、、、



二つ目の頂上で大休止

で 結局三つ目の山までは行かなかった



帰りも相変わらず戯れあう二人
この後もずっと仲良く縺れ合いながら ずっと



終わり良しというのは
ホントに良いよね

"なんだよ雨じゃねえか" とか "雪がねえじゃねえか" とか "寒いじゃねえか" とか
いろいろあったけど

そんなの全部忘れちゃったからね

2016/04/05-06 雪の少ない春の鳳凰三山で

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